バーゲンセールとPER(株価収益率)

今週はサンクスギビングウィーク

米国では11月の第四木曜日がサンクスギビングという収穫祭の祝日です。多くの人がこのタイミングで祝日と土日と休暇をくっつけて1週間から2週間程度の休暇を取ります。

その翌日が、日本でも耳にするブラックフライデーです。どのお店も黒字になるから、というのがブラックの意味。

近年では、Amazonなどが翌月曜日に追っかけてセールをすることから、サンクスギビングの翌月曜日をサイバーマンデーと言います。

上手く立ち回れば、かなり安く買い物ができます。

ただし、この時期にこの値段だったらクリスマスまでにはもっと下がるだろうという考えは禁物です。12月に入って気が付いた時には元の値段に戻っている事が多いです。

みんな大好きバーゲンセール

そんなみんなが大好きなバーゲンセールですが、株の世界にもバーゲンセールはあります。

株価が暴落した時がそれなのですが、現実のバーゲンセールだと狂ったようにみんな喜んで買うのに、株だとみんなこぞって売り始めます。

人間の心理の面白いところで、株の場合、どこまで下がるかわからない恐怖心から、買い増すどころか手放してしまうのですね。売っている当の本人は恐怖心など感じていないと思っていることも多そうです。

定価があるからバーゲンセールだと分かる

思うに、物の値段は定価や元値、適正価格というものがわかりやすく存在していて、セールになると定価と比較して安い・高いが判別できるのですよね。プレイステーション4が1万円で売っていたとしたら、定価が3万円〜4万円だと分かっているからこそ、「安っ!!」となるわけです。

一方で、株の定価、適正価格は人にとって異なります。

とある株価が、ある人の判断基準にとっては安値でも、別の人にとっては高値だという事が往往にしてあります。

株価の暴落はバーゲンセールだ、という話がありますが、実際にそうだったと分かるのは未来になってからの話です。

例えば、今現在も調整局面を迎えていますが、これが上がるのか、それとも暴落の入り口に立っているのか。さっぱりわかりません。1ヶ月後か、1年後か。それより未来になってようやく、あの時は安かったねとか、あそこが始まりだったねと、後悔とともに語られるわけです。相場とは難しいものですね。

もちろん株にも適正価格はあるはずだ、と考えた人はいるわけで、そういう指標も存在します。

PERがその一つで、今回はそれについて勉強したいと思います。

PERとは

PERとは、Price Earning Ratio の略で、株価収益率と訳されます。

企業が事業を継続していく上で、期末時点の利益の内の一定割合が配当金という形で株主、つまりオーナーに分配されます。1株ずつ持つオーナーが100人いれば、利益を100等分にして分けるわけですね。

この配当金をもらう権利を株式として、自由に他人に売り渡す事ができるわけですが、仮にあなたがオーナーだとしたら、その株式をいくらで他人に売り渡しますか?

所有していれば、企業が事業を継続し、成功し続ける限り、黙っていても今後も配当金を得る事ができるわけです。何年分の利益を前払いしてもらえば他人に譲れるでしょうか?10年分?20年分?

そう、この何年分の利益が株価に織り込まれているかを見る指標が、先述のPERなのです。

PERは、株価 ÷ 1株あたり当期純利益 で求める事ができます。

例えば米国のコカコーラ(COKE)は28倍、ペプシコ(PEP)は33倍。それぞれ28期分,
33期分の利益を織り込んだ株価になっているというわけですね。

最近下落しているハイテク株はどうでしょう?Amazon(AMZN)は一時期より株価は下がりましたが、それでもPERは85倍。85期分の利益が株価に織り込まれています。
ここから分かることは、Anazonが相当期待されているということです。

85年後もAmazonがトッププレイヤーとして存在していると考える人は一人もいないと思います。
そうすると、Amazonの株主は、今のAmazonの収益はかなり過小だと考えているということになります。

今後更なるイノベーションを起こして何倍もの利益を上げる未来を想定してAmazonに投資しているわけです。そういう人たちにとってはAmazonの真のPERは10倍程度だという事が見えているのかもしれません。PERはあくまで今、この瞬間の利益を元に計算する指標でしか無いのです。

特に、テクノロジー部門はイノベーションによって市場が目まぐるしく変化しています。今まで使われていた指標が当てはまるような世界では無い、という考え方もあります。

とはいうものの、やはり過大に期待されすぎているだけで、割高だという可能性もあります。

結局、PERという指標を持ってしても株価の適正価格が明確にはならないわけです。

したがって株価が下落したとしてもそれがバーゲンセールかどうか、未来が見通せる水晶玉を持たない我々には分からないということですね。